感動名著 私の生活流儀
平凡こそ、人生の宝
私の生活流儀 (著者:本多 静六 | 出版社:実業之日本社)
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一介の学者でありながら“伝説の億万長者”となり、 処世の達人としても広く尊敬を集めた本多静六(1866-1952)が、 その最晩年に、自らの人生哲学を後世に伝えるべく書いた本です。 健康長寿と日常の小さな心掛けがあってこそ、 豊かで幸福な人生を送ることができる、という本多博士の考え方は、 生きる指針を見失いがちな現代人の処世訓として、 古い本ではありながら、読む人を十分満足させてくれるものとおもわれます。 『人生計画の立て方』『私の財産告白』と並ぶ3部作のうちの一冊。
小学校の図書室には、よく伝記本が並べられています。 先達の生き方に学ぶことは、非常に多くの教訓を与えてくれるからでしょう。 その本棚では、例えば、 坂本竜馬、エジソン、ナイチンゲール、キュリー夫人・・・などなど。 平凡な生き方をしなかった人物を紹介しています。 そう考えると、これらの伝記本は、あたかも「平凡な人生で終わってはいけない」と 言っているかのような教訓本となっているのです。 ところが、この本の著者・本多静六は、ただの平凡な学者です。 平凡な論文を書いて、大学から平凡な給料を貰い、平凡な生活をした人です。 当然、ノーベル賞を取ったわけではないので、 小学校の図書室の伝記本の棚には、この人物の名前の本はあるはずもありません。 なぜなら、ただの平凡なサラリーマンの親爺だからです。 私は、この本の価値は、そこにあるとおもうのです。 本多静六は、 平凡な論文を誇りを持って一生懸命に書きました。 平凡な給料を賢く運用し巨万の富を築きました。 平凡な生活から大切な処世訓を得て紹介しました。 確かに、こんな平凡な人生は面白い伝記本にはならないでしょう。 ところが、世の中は、誰もが坂本竜馬であっては成り立たないのです。 そして、誰もがナイチンゲールになる必要もありません。 本多博士は、この本で平凡な人生にも十分価値のある生き方があることを 教えてくれています。 〜われわれ平凡人が、 このままならぬ世に処して、これをままにするただ一つの法は、 環境を支配するなんて大ソレたことを考えないで、 自らをその環境にできるだけ適応させていくことである。〜 この本を読むと、 伝記本の非凡な人物のようになろうなんて大ソレたことを考えなくても、 やるはめになった目の前のことを淡々とこなす日々の生活にだって、 十分な価値があることを確認できるのです。
日々の身辺雑草を日々の努力で取りのぞくことにつとめてきている。
〜 つまらないことを、あれこれネチネチと思い悩むことのないようにしたいものです。 〜
人間は、決して自然的には耄碌しない。人為的に耄碌するのだ。
〜 確かに、元気なおじいちゃんと、弱々しいおじいちゃんの差が出るのを 「遺伝的な問題」として解決するのは無理があるような気がします。 〜
今日の神経質な栄養学者は、栄養なんてことはてんで知らなかった 昔の人のほうが、栄養学に嚇かされてビクビクしている現代人より、健康で、可働的で、 耐乏のねばりに富んでいた事実をなんとみるであろうか。
〜 健康にいいからと言って、美味しくない食事をするのはまっぴらです。 というわけで、この意見には大賛成なのだ。 〜
いわゆる神仏は決して外にあるのではない。みなわが身の中にあるのだ。
〜 何のことを言っているのか? 最初は、さっぱりわかりませんでしたが、坐禅を始めてようやくわかってきました。 全く、その通りです。 〜
過失をおかすともあえて悲観絶望することはない。これも人間本来の姿である。
〜 失敗とは、改善点を明らかにする大切な教訓です。避けることはできません。 私も、後悔することはやめました。 〜
先へと片付けた仕事には、いかなる場合もほとんど手落ちというものがない。
〜 朝にあわてて準備をするとド忘れすることが多いけれど、 前日の夜にしっかり準備してから寝た場合には、そういうことはありませんからね。 〜
つもり買いのつもり貯金
〜 すぐに購入するのではなく、同額を預金しておいて、 どうしても手元に必要な時まで、お店のショウケースに預けてあると考えるんだそうです。 私も、これでいくつかの浪費を止めることができました。 〜
やはり、現金買いの出張購入が、一番経済でもあり確かである。
〜 そういう意味では、クレジットカードやインターネットショップは 浪費癖を促進するので、自制のできない人は利用しないほうが望ましいようです。 〜
『ジャン憲法』
〜 口論になりそうになったらジャン拳で白黒をつけるという法律。 それがジャン憲法。家庭や職場にこの憲法を持ち込めば、つまらない言い争いも減るでしょう。 〜
社交生活の眼目は、相互の実意を通わせ合うにある。 先方に愉快を感ぜしめ、迷惑をかけないことが第一であるはずだ。
〜 お中元、お歳暮、お祝儀、餞別。 社交生活の意義を通り越した儀式的で行き過ぎた風習が正しいと信じている人がたくさんいます。 だったらどうしたらいいのか?本多先生の明快な回答には大納得です。 〜
人間の知識や考案等は小鳥のようなもので、 目の前、頭の中に飛んできたとき、さっと捉えて籠の中に入れておかぬと、 過ぎ去ったが最後、もはや自分のものとするこはなかなか難しい。
〜 メモ帳のおかげで、いつもアイデアを死なせずに済んでます。 〜
貯金なくして投資なく、利殖なし。
〜 借金までして投資をしようとすれば、家計の安定しないのは当然だということです。 〜
ムリをしないで最善を尽くす、そうして辛抱強く時節到来を待つこと。
〜 「ムリをしないこと」。これは実は、とても重要なことのようです。 最近ようやくわかってきました。仏教でも「道中衣食あり」と言いまして、 最善を尽くしていれば、「時の加勢」というものが必ずやってくるのだそうです。 〜
気の毒なものだ なんとかしてクルマぐらいに乗れんものかと憫んでくれる人もあるらしいが、 本人の私は、まだまだそんなものの厄介にならずに出歩かれるということがうれしく、 反対に六七十の若盛り(?)に、 もう自分の足で思うままに出歩けぬ連中を気の毒なものだと憫む気持ちのほうがはるかに強い。
〜 私も元気に歩けるので、クルマには乗らないことにしています。 〜
【私の財産告白】
お金の知恵も大切です
本多博士は、偽善者の仮面を脱ぎ捨て、「財産や金銭についての真実をぼんやりさせて処世の要訣を説こうとするなどは、およそ矛盾も甚だしい」として、お金の大切さと成功の秘訣を、包み隠さず告白しています。
【人生計画の立て方】
本多博士も筆のあやまり
経済的にも社会的にも豊かに生きてきた人生の大先輩が、少年期から楽老期に至るまでの過ごし方の秘訣を、次代へ伝えるためにまとめたものです。人生に計画が必要だと言っても、人生のテーマは人それぞれですから、これはちょっとやりすぎかなともおもいます。
【人生と財産―私の財産告白】
贈答用に最適な一冊
本多静六が「人生におけるお金の真実」を語る。「私の財産告白」「人生設計の秘訣」「私の生活流儀」の3部作を一冊にまとめ、重複部分の削除、加筆など再編集したものです。贈答用に最適な一冊。
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